京都
KYOTO
COLUMN
秀吉の妻、ねねが晩年を過ごしたといわれる『圓徳院』では、秋の夜間拝観を実施しています。例年の開催期間は10月下旬から12月上旬頃にかけての1ヶ月半ほど。日没から夜9時半まで、夜ならではの静かな紅葉狩りが楽しめますよ。
夜間拝観期間中は、境内にある2つの庭園がライトアップされます。「北庭」は安土桃山から江戸時代期に名をはせた庭師により設計された国指定名勝。ダイナミックな石組が特徴的で、鮮やかな紅葉とライトアップが絶妙にマッチします。神秘的な輝きの「南庭」は、ねねの慈悲をイメージし女性が好む植物や花が映える白砂の造り。
夜間拝観のほかにも、写経体験や献茶、南庭と同様式の白砂に線を描く枯山水体験なども実施されています。さらに秀吉公の守り神、三面大黒天を撫でて力を授かるといった、ここでしかできない体験も。どれも拝観料のみ・予約不要で参加できるので、心を落ち着かせたい時にぜひチャレンジしてみて。
高台寺の菩提ということもあり、駐車場は高台寺境内にある24時間対応のスペースを利用できます。高台寺とセットで拝観できるチケットも販売されているので、合わせてめぐって、秀吉とねねの世界にどっぷり浸ってみましょう。
圓徳院
所在地:京都府京都市東山区下河原町530番地
拝観時間:10:00~17:00(17:30閉門)
拝観料:大人500円、中高生200円、小学生以下 無料
徳川家康が天皇の住む京都御所の守護として築城した『二条城』は数多くの重要文化財や国宝、歩くとうぐいすの鳴き声がする床など、見どころが充実。
「二条城」では、春・夏・秋の3シーズンに夜間拝観を実施しています。それぞれ昼夜入れ替えのチケット制で、観覧エリアが指定されているのが特徴。開催期間は1ヶ月ほどと長めのため、予定を合わせて訪れやすいのがうれしいですね。
「二条城」の夜間拝観といえば、重要文化財の唐門で行われるプロジェクションマッピング! 趣ある建築物に現代アートが施される様はまさに今昔の融合で、新感覚の夜間拝観が楽しめます。
2024年の春の夜間拝観では、桜吹雪とともに鶴が登場するなど、豪華絢爛な内容が好評を得ました。2023年夏には、本丸の石垣に打ち上げ花火が上がる圧巻のプロジェクションマッピングも実施、2024年夏も開催予定です♪
プロジェクションマッピングやライトアップだけでなく、飲食エリアや体験型イベントが充実しているのも注目ポイント。春には300本もの桜の下で桜色のかわいいビールを飲めたり、秋には茶席で本格的な抹茶スイーツをいただけたりと、世界文化遺産に登録されている境内で近代的なバーチャルコンテンツが楽しめるのも「二条城」の夜間拝観ならでは。
「二条城」へは公共交通機関の利用が推奨されていますが、東側と南側の2ヵ所に計140台ほど停められる駐車場があります。夜間拝観期間中は営業時間が延長されるのでチェックしてみて。
二条城
所在地:京都府京都市中京区二条城町541番地
開催期間:【2024】夏 7/26~8/25、秋 未定
夜間拝観時間:18:30~22:00(最終入場 21:20)
夜間拝観料:【月~木】大人(中学生以上)1,800円、小学生1,000円【金土日祝】大人(中学生以上)2,200円、小学生1,400円
※一部有料コンテンツがあります
※夜間拝観期間は通常観覧(昼間)と入替制
奈良の名院・東大寺と興福寺から一文字とり、京都の地で最大の大伽藍を造営した『東福寺』。京都屈指の紅葉の名所として、見ごろの時期にあたる例年、11月中旬から下旬にかけて秋の夜間特別拝観を実施しています。
駐車場は境内南側・北側にありますが、紅葉のシーズンは閉鎖されるため、公共交通機関を利用しましょう。
秋の夜間拝観では「東福寺」の一大紅葉スポット「通天橋」の絶景を眺められます。渓谷の両側から橋に覆いかぶさるようにして色づく紅葉は圧巻。高台になっているので、見上げずとも眼前に紅葉の鮮やかさが広がります。
「東福寺」の見どころでもある、方丈の庭園「八相の庭」の夜の見学も可能。大方丈の東西南北に4つの庭を設けていて、苔で再現された市松模様など日本の伝統芸術を模した庭園美が特徴です。
なお、「東福寺」の夜間拝観は例年、完全予約制で実施されています。時間帯によって3部制になることもあるので、気になる方は早めにチェックしてみて。紅葉のシーズンは、夜間拝観に加え、一般拝観前に早朝拝観が開催されることもあります。
東福寺
所在地:京都府京都市東山区本町15-778
拝観時間:【4~10月】 9:00~16:00(閉門16:30)、【11~12月 第1日曜まで】8:30~16:00(閉門16:30)【12月第1月曜~3月】 9:00~15:30(閉門16:00)
拝観料金:【東福寺本坊庭園】大人 500円、小人 300円【通天橋・開山堂】大人 600円、小人 300円
秋季拝観料:【東福寺本坊庭園】大人 500円、小人 300円【通天橋・開山堂】大人 1,000円、小人 300円
※特別拝観は料金が異なる
絶世の美女と謳われた歌人、小野小町ゆかりの『随心院』では、例年、秋の紅葉ライトアップに伴い夜間特別拝観を実施。
京都市内でありながら中心部の喧騒から離れ、静かに夜の紅葉狩りが楽しめます。車でのアクセスは京都東ICから約10分、電車でも地下鉄東西線「小野」駅から徒歩5分と訪れやすいのがポイント。
例年の実施期間は、11月中旬から下旬にかけて。2023年にはライトの数を増やしてパワーアップし、期間にあわせて本尊御開帳も行われました。
秋季限定の御朱印は、小野小町が優雅に紅葉狩りをしているようなデザインの切り絵が話題に。せっかくなら小町を思わせる極彩色の御朱印帳などステキな記念品もゲットしてみて♪
夜間拝観では、「本堂」と美しい紅葉のグラデーションのライトアップを堪能できます。時期によっては、銀杏とのコラボレーションを楽しむことも。小町の歌碑と並ぶ紅葉の浮かび上がるような照明や、苔むす美しいライトアップにも注目です。
また、「髄心院」は2029年に門跡800年を迎えます。記念すべき時に向けて、老朽化が進む本堂や書院などの大修理を計画中。貴重な文化財が後世に受け継がれることを願いながら、境内をめぐってみましょう。
髄心院
所在地:京都府京都市山科区小野御霊町35番地
拝観時間:9:00〜17:00(最終受付16:30)
拝観料:一般 500円、中学生 300円
※寺内行事により拝観停止となることがあります
夜間特別拝観 秋の紅葉ライトアップ
拝観時間:18:00~20:30
拝観料:大人700円、中学生 400円
日本三禅宗のひとつ、黄檗宗の大本山『萬福寺』では、秋から冬の夜間拝観としてランタンフェスティバルを開催。2023年は10月初旬から12月上旬にかけての期間、黄檗宗の祖となった中国僧・隠元禅師の渡来368年を記念し、約30種類の中国ランタンが境内に灯りました。
ランタンはどれもカラフルで、隠元禅師が乗ってきたという船や伝統舞踊である龍舞、来日するさいに持参したという茶器モチーフなど、どれも中国らしさが感じられるものばかり。
日中の友好関係を象徴する門や、たくさんのランタンが集まって大きな銀河を作り出す「一心同体」をテーマにするランタンも、想いを乗せて輝いていて目を惹きます。
夜間拝観期間中は、毎週末に本堂前でのショーやコンサートも同時開催。日中の伝統芸能を披露する内容と、中国グルメの肉まんやワンタンなどを販売する中華屋台が出店し、イベントとしても楽しめるのが魅力♪
中国明朝様式の建築様式に倣う萬福寺の境内には、卍くずしの欄干や円窓、木魚の原型となった「開梛」など、日本のほかのお寺では見られない意匠がたくさん。
境内南側に大駐車場を備えているので、秋の宇治を観光しつつ訪ねてみるのもいいですね。
萬福寺
所在地:京都府宇治市五ケ庄三番割34番地
拝観時間:9:00~17:00(最終受付16:30)
拝観料:大人 500円、高校生・大学生 500円、小中学生 300円
黄檗ランタンフェスティバル
入場時間:17:30~21:00(20:30最終受付)
当日券:大人(18歳以上)1,500円、学生 1,000円、中高生 500円、小学生以下 無料
真言宗大覚寺派の大本山であり、旧嵯峨御所である『大覚寺』。国指定名勝の大沢池を中心に、周囲約1Kmに渡るライトアップや秋の夜間拝観を実施しています。日本三大名月鑑賞地に数えられる大沢池を、柔らかな光と月が照らす光景は見逃せません。
嵯峨天皇が中秋の名月に大沢池に舟を浮かべたことから始まった「観月の夕べ」も、夜間拝観行事のひとつです。例年、中秋の時期に開催され夜空に浮かぶ月と大沢池の水面に映る2つの月が、印象的。
あわせて月を望む場所に祭壇が設置され、月天に祈りを捧げる法会と法話も執り行われます。
2024年度の「大沢池ライトアップ」は、11月15日から12月1日まで実施予定。池を囲む紅葉と五大堂のライトアップを眺めながら、特別営業の蓮華殿の喫茶で、夜に抹茶やお菓子をいただくのも優雅ですよ。
大覚寺には30台分のスペースを備えた駐車場がありますが、「観月の夕べ」期間中は公共交通機関の利用が推奨されています。JR嵯峨嵐山駅・嵐電嵐山駅からは歩ける距離にあるので、嵐山を観光しつつ参拝するのもおすすめ。
大覚寺
所在地:京都府京都市右京区嵯峨大沢町4番地
参拝時間:9:00〜17:00(最終受付16:30)
参拝料金:【お堂エリア】大人 500円、小中高 300円【大沢池エリア】大人 300円,小中高 100円
※寺内行事により拝観不可日あり
観月の夕べ
開催期間:2024 9/15~9/17
開催時間:17:30~21:00(最終受付20:30)
拝観料:大人 500円、小中高生 300円
※日中参拝された方も、別途参拝料が必要となります
大沢池ライトアップ
開催期間:2024 11/15~12/1
開催時間:17:30~20:30(最終受付20:00)
拝観料:大人 900円、小中高生 500円(ノベルティ進呈)
※日中参拝された方も、別途参拝料が必要となります