京都
KYOTO
COLUMN
観光スポットも多く点在し、国内外を問わず多くの観光客が訪れる観光地・京都。いつでも、にぎやかなイメージがある一方、かつて都があった街並みは、どこか優雅なはんなりした空気が漂っています。
そんな落ち着いた京都観光の真髄は、もしかすると夜にあるのかもしれません。
今回は、京都の夜間拝観とイベントについてまとめました。ライトアップされた歴史的建造物や石畳に並ぶ行灯など、京都の夜の顔をのぞいてみませんか?
はじめに、京都で夜間拝観を実施しているスポットをご紹介します。雰囲気たっぷりのライトアップされた境内を散策したり、華やかなプロジェクションマッピングを楽しめたり、京都ならではの特別な夜を体験してみてくださいね。
京都を代表する観光スポット『清水寺』では、春・夏・秋の年3回、夜間拝観が実施されています。期間中は閉門時間が延長され、予約なしで夜9時半まで入場可能です。
2024年の日程も決定しており、それぞれ、3月と8月、11月に1週間ほど開催される予定なのでぜひチェックしてみてください。
夜間拝観期間中は境内のライトアップも実施され、春は夜桜が浮かび上がり、秋は紅葉が情感たっぷりに照らし出されます。どの期間中も「観音さまの慈悲」と呼ばれる青い一筋の光が夜空に差し込むのが印象的。まさに夜にしか見られない幻想的な光景です。
さらに、夏の夜間拝観は「千日詣り」とともに、本来入ることのできない本堂内々陣の特別拝観も実施。「千日詣り」は、1日のお参りで1,000日分のご利益がいただけるとされています。夜の静寂につつまれながら、ご本尊の十一面千手観音菩薩像に手を合わせてみて。
なお、「清水寺」には併設の駐車場はありません。夜間拝観期間中は、コインパーキングや近隣500mほどの京都市市営駐車場も混雑するおそれがあるため要注意。
最寄りのバス停・五条坂からは徒歩10分ほどなので、公共交通機関の利用をおすすめします。周辺にはディナーにぴったりのお店もたくさんありますよ。
清水寺
所在地:京都府京都市東山区清水1-294
開催期間:【2024年】春 3/23~3/31、夏 8/14〜8/16(千日詣り/本堂内々陣特別拝観)、秋 11/18〜11/30
夜間拝観時間:17:30~21:30(受付終了21:00)
夜間拝観料:大人400円、小中学生200円
1,200年以上の歴史を誇る『東寺(教王護国寺)』では、春と秋の2シーズンを中心に夜間拝観を実施。2024年には春・秋に加え、新緑の季節の4月から5月にかけても追加開催されました。例年の開催期間はいずれも1週間程度で、時間帯は夜6時から9時半までです。
春の夜間拝観の見どころといえば、境内に佇む「不二桜」と名付けられた八重紅しだれ桜のライトアップ。京都のランドマークタワーとして知られる「五重塔」は、日本一の高さを誇る木造建築で、夜桜との兼ね合いは見事です。夜空の色も相まって、華やかな照明が雰囲気をぐっと深めます。
秋の夜間拝観の見逃せないポイントは、艶やかな紅葉と夜空にぽっかり浮かぶ月に、荘厳な「五重塔」のコラボレーション。境内の中心にある池に「五重塔」が美しくうつし出され、京都の歴史と想いを馳せる光景が広がります。
夜間拝観開催時は「金堂」と「講堂」も公開。「講堂」では本来非公開の「須弥壇北面」もお披露目され、立体曼陀羅の周りを360°回りながらの見学が可能。
「東寺」には駐車場が完備されていますが、特別拝観中は通常料金とは異なる特別料金となる可能性があります。JR京都駅からは徒歩15分ほどの距離なので、周辺を観光しながら「東寺」へ向かうのもおすすめです。
東寺(教王護国寺)
所在地:京都府京都市南区九条町1番地
通常拝観時間:【金堂・講堂】8:00〜17:00(最終受付16:30)【観智院】9:00〜17:00(最終受付16:30)【宝物館(会期中のみ)】9:00〜17:00(最終受付16:30)
夜間拝観時間:18:00~21:30(最終受付21:00)
拝観料(金堂・講堂夜間特別拝観):大人 1,000円、中学生以下 500円
豊臣秀吉とその妻、北政所ねねゆかりの『高台寺』では、例年、春・夏・秋・大晦日に「夜の高台寺」と題して夜間拝観を実施しています。いずれも開催期間は2週間以上と長めなのがうれしいポイント。期間中は17時より点灯が行われ、拝観時間も延長されるので、夜のひとときをゆったりと楽しめます。
「高台寺」の夜間拝観は、境内で行われるプロジェクションマッピングにも注目。2024年の春の特別拝観は、ねねの遠忌にあわせた女性らしく華やかな内容で「波心庭」が彩られました。
秀吉の命日にちなんで開催される夏の特別拝観では、今年で19年目となる「百鬼夜行展」にあわせた内容に期待。夏期は竹林のライトアップや七夕の夜間拝観も一見の価値ありです!
京都の紅葉の名所としても知られる「高台寺」は、秋の夜間拝観に足を運んでみるのもおすすめ。幻想的なプロジェクションマッピングはもちろん、「臥龍池」に写り込む逆さ紅葉や、「時雨亭」の趣ある茅葺き屋根に紅葉が添える彩りは、京都ならではの雰囲気です。
冬には大晦日や元日の夜間特別拝観に加え、ロウソクの灯だけを囲んで催す夜の茶会も行われています。
なお境内には24時間対応の専用駐車場があり、100台分の駐車スペースを完備。拝観と合わせて駐車サービスの特典も。駐車場内には京都のお土産が揃う売店が併設しているので、拝観後のお買い物も楽しめますよ。
高台寺
所在地:京都府京都市東山区 高台寺下河原町526番地
開催期間:春 3/15〜5/6、夏 8/1〜8/18、秋 未定
拝観時間:9:00~17:30(最終受付17:00)
夜間拝観時間:点灯 17:00〜22:00(最終受付21:30)
拝観料:大人600円、中高生250円、共通割引拝観券(高台寺・圓徳院・掌美術館)900円
浄土宗の大本山にして新選組発祥の地といわれる『金戒光明寺』では、秋の特別夜間拝観が行われています。例年、11月中旬から12月上旬にかけて開催。2024年は11月15日から12月8日の期間に開催予定です。73台分のコインパーキングも備えており、タクシーで境内まで行けるのでアクセスにも困りません。
2023年には、数多くの文化財が安置される「御影堂」をはじめ、登録有形文化財に指定されている「大方丈」と庭園の夜間拝観も実施。ライトアップされた紅葉が水面に映し出される「紫雲の庭園」は、秋ならではの風情が感じられます。
開催に合わせて行われる特別日中拝観では通常非公開の「大方丈」にて、仕掛け絵で有名な「虎の襖絵」の特別公開も。
同じく通常非公開の山門は、日中の拝観のみとなりますが北側と南側を鮮やかな紅葉で彩ります。小松天皇直筆の「浄土真宗最初門」の勅額が飾られた山門と紅葉、美しい夕日の融合は必見。
西山連峰中もっとも低い鞍部に位置し、京都の夕日を存分に堪能できる穴場スポットでもあるので、夜間拝観までの待ち時間も贅沢そのもの。
また、庭園を案内してもらえるガイドが付いたプレミアム拝観プランでは、通常より30分早く入場できます。こちらは予約制なので、夜の金戒光明寺をゆっくり回りたい方はチェックしてみて。
金戒光明寺
所在地:京都府京都市左京区黒谷町121番地
特別夜間拝観
開催期間:2024年11/15~12/18
拝観時間:17:30~20:30(最終入場 20:00)
拝観料:【御影堂・大方丈・庭園】大人 1,000円、小学生 500円【プレミアム拝観(予約制)】大人 1,500円、小学生 1,000円